日常は爆発

2016年01月29日(金)
【乱世、乱世だ、戦だ、戦。】










田舎に佇むスタイリッシュなビジネスホテルで、突如鳴り響いた赤ちゃんの泣き声。









こんな夜中にもたくましく泣く赤ちゃんよ、それが元気な証なのだ。さあもっと力いっぱいに泣くのだ、そして疲れたらおやすみなさい。









さてと、そろそろ507号室あたりをどなたかトマホークでも核ミサイルでも撃ち込んでやりなさい。









その元気な姿のまま逝ってよし。









出張という終わりなき地獄の旅に









営業という過酷極まりない生業で日々鞭打つこの体に









ほんの少しの安らぎからくるこの安眠を妨げる鬼とやらはどこだ?









赤ん坊の皮を被った鬼達の宴は鳴り止むことはない。ここは田舎にひっそり佇む現代の鬼ヶ島ということか。









週末の俺なら暖かい言葉と素敵な笑顔で優しくエスコートしていたかもしれんが、明日に控えた営業という名の「地獄のメカニカル」にもはや一滴の余裕すらもない。









なぜ10階もあるホテルの508号室が俺の部屋になってしまったのか。なんたる運命よ、いまやこの5階全てが507号室の小さな悪魔の雄叫びに恐怖している。









寝不足という明日の予期せぬ敵に怯えながら皆は頭から布団を被るのであった。









その時ふと泣き声が止んだ。










これは、、??
まさか、真っ暗闇に垂れる一筋の光の糸が見えた瞬間だった。









そう、瞬間だった。
ほんの30秒という瞬く間に過ぎゆく時間。永遠すら感じたこの30秒。









そして悪魔は再び荒れ狂うクラーケンのように泣き叫んだのである。









乱世、乱世と怯えた5階の住人は、内線9番という最後の切り札を使うかどうか悩んでいた。









だがしかし。









果たしてこのホテルという名のホーンテッドマンションに、この状況を打破できるゴーストバスターズは存在するのだろうか。









アメニティはコーヒーパックとお茶パックというのに、部屋にはガラス製のコップしかおいてない。ポットのお湯入れたら割れるだろうが、この豚野郎ども。









一体どこに湯のみ持参するリーマンがいるというのだ。









そして昨日冷蔵庫に入れたお茶はカッチンコッチンに凍って飲めません。









一体どこに冷凍食品を持参するリーマンがいるというのだ。一回凍ったサラダの美味しくなさと言ったらもう自殺もんだぜ。ミニトマトに霜が張って中のぐじゅぐじゅオマ◯コみたいな美味しい部分が台無しだったぜ。









いや、話が脱線したがとにかく頼りないホテルマン達を呼んで仕方ない。









そこで俺はとうとう奥の手を使うことにした。









シコって寝ることにしたのだ。









おやすみなさい。









赤ちゃんになりてえよ。









せいぐっばいはろー。











00:25


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