背中から伝わってくる体温は間違い

なく彼のもの。このまま二人で何処

かに行ってしまおうか、なんて言っ

てくれた彼に小さく笑う。

「ルカくんも捨てちゃうの、」

「………。」

「棗は素直だね」

いつからかわからないけど、この辛

い、外との関係立たれたこの場所は

今は嫌いな場所ではなくなっていた

。それはきっと、棗のお陰で。

寂しいときは傍にいてくれて、泣き

たいときは胸を貸してくれて、笑い

たいときは一緒に笑ってくれて。

でも、それだけじゃ足りないんだ。

「棗にとってルカくんは大切な友達

だもんね。」

「ああ…。」

彼に視界に映るのは私だけでいい。

邪魔なものは消してしまおうか。そ

うしたら棗は悲しむだろうけど、別

に一時だけでしょう?その胸にあい

た傷は私が塞いであげるから、棗、

これからすることを許してね?


純粋すぎる、狂気

(次の日、血まみれのルカくんと)
(佇む私を見て、初めて棗は涙し)
(て、私はただ笑った。)





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